「絢爛たるグランドセーヌ」について 百合Advent Calendar

この記事は百合 Advent Calendar 2016 8日目の記事です。

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はじめまして。なべはるです。

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  昨今非百合専門誌での百合を扱った作品の連載が多く話題に上がっていますね。

こうしたムーブメントの中で新たに百合というジャンルに足を踏み入れてくれる方が一人でも増えてくれたら嬉しいと思います。

 

   しかし百合のオタクとしてやっていく上でこうした非百合専門誌に掲載される作品は時として見つけ出すことが困難であるといえます。

今回はそうした非百合専門誌であるところのチャンピオンREDで連載されている、クラシックバレエを題材とした作品「絢爛たるグランドセーヌ」について紹介させていただきたいと思います。

 

  小学生の有谷奏がマンションの隣に住む橘梨紗のステージに魅了され、クラシックバレエの世界に足を踏み入れます。彼女が厳しい世界の中で時には戸惑い、苦しみながらも歩みを進めていく物語です。

 

橘梨沙と有谷奏の関係性について

   橘梨沙は膝の故障をきっかけにダンサーとしての道を諦めてしまいます。

しかし問題は身体だけではありませんでした。プロの門はあまりにも狭く、経済的な障壁も存在します。こうした描写を非常にリアルに描いているのは小学校から高校までクラシックバレエをやっていたCuvie先生ならではであると言えます。

   ですが橘梨沙はここでバレエとの関係を完全に断つことはしません。舞台衣装デザイン会社でアルバイトとして働くことでバレエに携わり続けます。彼女は有谷奏のコンクール衣装の作成を行い、時には良き助言者として有谷奏のそばに立ち続けます。

 

伊藤翔子と有谷奏の関係性について

   伊藤翔子は非常に真面目な性格で、同じバレエ教室に通う有谷奏より一歳上であるため精神的に彼女の一歩先を行く存在として描かれています。しかし、彼女はその真面目さ故に場の空気に気圧されてしまうこともあります。そういった時にそっと彼女の手を握る有谷奏という構図は非常に美しく映ります。

   また、伊藤翔子が資産家の家の子供であるという設定は、有谷奏の両親が共働きで彼女の夢をなんとか支えているという家庭環境を魅力的に引き立てます。家庭環境の描写に力を入れる百合作品は最高。

 

  この他にも母親の経営するバレエ教室で英才教育を受けた結果母を絶対視し同年代の競技者を見下す女などがおり、非常に魅力的な作品となっております。気になった方は是非手にとってみてください。

 

絢爛たるグランドセーヌ 1 (チャンピオンREDコミックス)   Cuvie

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